~日本の社会のシクミが見えてくるぞ~
みんな、戸籍って知ってるかな?
いつ、どこで、どんな両親の間に生まれて、今どこに住んでいるかが書かれた大切な記録のことで、日本人ならば必ず届(とど)けなければいけないものなんだ。
役所に行けば、それを見ることができるよ。
この戸籍によって、国からのいろいろなことが管理されているんだ。
今の日本の人口もわかるし、誰(だれ)が小学校に入学するとかもわかる。
自分で見ることでわかるのは、お父さん、お母さんだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃん、そのまたおじいちゃん、おばあちゃん・・・そのまた上の人、つまりキミの先祖(せんぞ)だね、、、をたどっていくことが出来るんだ。
それらが一人一人別々に書かれている。
ここにあるのは、江戸(えど)時代の戸籍だ。
この頃(ころ)は村で調査(ちょうさ)して、お寺に納(おさ)めていたんだって。
そしてそれを各藩(はん)が集めて、幕府(ばくふ)が全国のものをまとめていた。
1年に1回、ちゃんと行って整理していたんだ。
今と違(ちが)うのは、その家やその人が何宗(しゅう)であるか(この時代はキリスト教禁止(きんし)だったからね)ということと何の仕事しているかが書かれていること。
それ以外は今とあまり変わらないんだ。
この調査によって、国全体の人口もわかっていたし、各藩ごとに人数が多い藩、少ない藩もわかっていた。
ここは人数が多いから年貢(ねんぐ)(今の税金(ぜいきん))を多く納(おさ)めさせられるとか、つまり政治(せいじ)に活用していたんだ。
こうやって国を治めていたんだね。まさに社会の仕組みだ!
いつ、誰(だれ)が、誰からお金を借りたということが書かれた証明書だよ。
借りたお金を返すとこの証明書は返してもらうか、破(やぶ)り捨(す)ててしまうので、ここに残ってるということは、お金を返さなかったんだね。
今では許(ゆる)されないことなんだ。借りたものは返すのが当たり前。
古文書の世界では、実はこういう証明書がたくさん残っている。。。
ということは、返さなかった人がたくさんいたっていうことなんだ。
え?? みんな悪い人???
いやいや、そうではなかったんだ。
この頃(ころ)は、今の銀行のように商売でお金を貸(か)すのではない裕福(ゆうふく)な人がいて、そういう人は借りたお金をいつまでに返すというのをあまり決めなかったんだって。
それは、お金持ちの人がお金に困(こま)っている人に対して一種の慈善事業(じぜんじぎょう)(ボランティアみたいなもの)や村民に対して村長(その当時の名主とか)が福利厚生(ふくりこうせい)(ご褒美(ほうび)みたいなもの)という考え方があったみたいなんだ。
なので、返さないのはあまり良いことではないんだけれど、最初から返せる時にいつでもいいよといって貸(か)してあげている人が多かった。
そしてそれが代々続いて、結局は誰も返さなかったというわけだ。
ここでも人と人のつながり、関係性(せい)が見えてくるよね。
お金でお世話にななった人に対して、お金ではないもので感謝(かんしゃ)の気持ちを表したり、その分役に立つことを行ったり、貸してくれた人には逆(さか)らわないとかね。
こういう考え方で平和な村を作り、あとあとまでつなげてきたんだね。