身近なところの古文書を探してみよう
~字が書かれた古い物なんでも探そう~
コモンジョ(古文書)って何? それって「お宝」?

古文書(こもんじょ)っていうのは、「だれかが、だれかにあてて書いたもの」のことなんだよね。
詳しくはこのサイトを見てみてね。

「ボクもワタシたちも楽しめる 古文書の世界」(https://mu-komonjo.com/)

古文書と古記録(こきろく)というものの違いもわかるよ。

今回はとにかく、「文字の書かれた古い物」を探すことからトライしてるよね。

家の中や身近な所から出て来る「文字の書かれた古い物」にはどんな物がありそうか、どんな物があったのか、実際に家の中から出て来た物を解説していただきながら、見てみよう。
いろんな物が出て来るぞ!

巻物(まきもの)
こういうものが江戸時代に売られていたんだって!

巻物(まきもの)だ!

これ江戸(えど)時代に古道具屋さんで売っていたものなんだ。

巻物の表が茶色いのは、虫食い防止(ぼうし)のために「柿渋(かきしぶ)=柿から作られた液体(えきたい)」を塗(ぬ)った紙を使っているからで、これは安いものらしい。

文字が書いてある紙は、楮(こうぞ)という紙で平安時代ではよく使われた紙だ。
それを貼(は)りつけて巻物にしたんだ。

その手紙の内容は、平安時代の保延(ほうえん)4年(1138年)土地を売り買いした時に書かれたものだ。
もともと、そうとう虫食いがあったものを江戸時代になってから、古道具屋さんがこうして巻物に作り変えて売っていたんだ。
そのおかげでおかげで今もこうして残っているんだよ。

書いた年月日、売った人(これを書いた人)の花押(かおう=サイン)が入っているので、これはれっきとした古文書(こもんじょ)だ。
こういうものがキミの家にもあるかもしれないよ。

短冊(たんざく)の形をしたこれは何?
江戸(えど)時代に発行された今でいう鑑定書(かんていしょ)

有名な書道家などが書いた「書」を専門家(せんもんか)がよく調べて(鑑定(かんてい))して、「これは間違(まちが)いなくホンモノである!」という証明書(しょうめいしょ)を発行したんだ。
それが、この「極札(きわめふだ)」というものだ。
これがあるのとないのとでは、天と地ほどの差があるんだよ。
「極札」がなければ、どんなにホンモノですと言っても、証拠がないけれど、これを「書」と一緒(いっしょ)に持っていればホンモノということで、高くも売れるし、立派(りっぱ)な財産(ざいさん)にもなるよね。

江戸(えど)時代には、かなり大量に発行されているので、キミの家からも出てくるかもしれないよ。

古い手紙?
政治家(せいじか) 井上馨(いのうえ かおる)が書いた手紙

井上馨(いのうえ かおる)は、幕末(ばくまつ)から明治時代に活躍(かつやく)した政治家(せいじか)、教科書にも出てくる人だ。

この手紙はつなぎ目がない紙なので、江戸(えど)時代からあった巻紙(まきがみ)を使っているということがわかるんだ。

注目は封筒(ふうとう)だ。封筒は、明治時代から使われ始めたもので、これは今の封筒のもとの形なんだ。
封筒の上下を糊(のり)で貼(は)って送ったようだよ。
明治時代になって郵便(ゆうびん)制度(せいど)ができたおかげで、誰(だれ)でも手紙を送れるようになった。そこで封筒を使うようになったんだ。

この手紙は明治時代のものだけど、江戸時代の古文書(こもんじょ)と全く変わりない書き方で書かれているんだ。だから古文書といっていいと思うよ。

でもなぜこんな有名人の手紙が家にあるんだろう?
それはちゃんと家の人に聞いてみよう。
意外にもキミの家にも有名人の手紙があるかもしれないよ。

綴(と)じられた冊子(さっし)?
武士(ぶし)が書いた武士のための教科書のようなもの

幕末(ばくまつ)には外国船がたくさん日本にやってきた。
その時、幕府(ばくふ)は外国との戦いに備(そな)えて、各藩(かくはん)に戦うための設備(せつび)を増(ふ)やせと命令をだしたんだ。
ところが、武士(ぶし)たちはそれまで260年間も戦いをしてこなかったので、戦い方がわからなくなってしまっていたんだ。

そこで、いざ戦いになった時には、武士はどのような作法で戦うかとか、どのような心得(こころえ)が必要かを書いて本にして、戦場に持っていって見て戦えるようにしたんだって。
細い筆で事細かに紙一杯(いっぱい)、びっしり書かれているよ。
ところどころ朱色(しゅいろ)の丸や点があるけど、これは特に重要だと思うところに自分で印(しるし)をつけたんだね。

でも実際(じっさい)にはあまり使用されることはなかったんだって。だって、外国船と戦わなかったからね。

幕末にはとてもたくさん作られ売られていたものなので、キミの家のどこかに残っているかもしれないよ。

この冊子(さっし)は何だろう?
江戸(えど)時代の幕末(ばくまつ)に書かれた高嶋流(たかしまりゅう)砲術(ほうじゅつ)の秘伝書(ひでんしょ)の1つ

料理の作り方の本じゃないよ。
鉄砲(てっぽう)や大砲(たいほう)のうち方)の秘伝書(ひでんしょ)の1つで火薬の調合について書かれたものなんだ。

江戸時代もかなり幕末に書かれたものらしく、今の言葉と変わらないものや外国語が使われていたり、カタカナも見えるよね。
このころ西洋から大量に入ってきた銃(じゅう)の威力(いりょく)を増すためにどんな火薬をどのようにして調合したらよいかを本にして、いろいろな藩(はん)にたくさん売っていたみたいなんだ。
各藩の砲術係は必ず持っていたものだし、まもなく明治になろうというころのものなので、けっこうたくさん残っているらしいよ。

もしかしたら、キミの家の古い戸棚(とだな)や仏壇(ぶつだん)の引き出しに入っているかもしれないよ。

これまた手紙だ・・・
明治時代の政治家(せいじか)岩倉具視(いわくら ともみ)から井上肇(いのうえ かおる)に宛(あ)てた手紙

超(ちょう)有名人の手紙だよ。ちゃんとホンモノが残っているんだね。

これまで見てきたものは、真っ白な巻紙(まきがみ)に書かれた手紙だったけど、こんどのは今の便せんと変わらないもので、文字がまっすぐに書けるように縦(たて)に線が入っているね。
明治時代になってからの手紙だから、こうして文明開化していったんだな。

キミの家にももしかしたら有名人の手紙、あるかもしれないよ。